○湖西市男女共同参画推進条例

平成26年12月22日

条例第38号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第10条)

第2章 基本的施策(第11条―第16条)

第3章 推進体制(第17条―第19条)

第4章 雑則(第20条)

附則

全ての人が、お互いの人権と個性の多様性を大切にし、自らの意思により、能力を十分に発揮できる社会の実現は、私たち市民の願いです。

我が国では、憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、国際社会における取組とも連動しつつ、男女共同参画社会基本法の制定等男女平等に向けた様々な取組が進められてきました。

湖西市においても、「女(ひと)と男(ひと)プランこさい」を策定し、様々な施策を実施してきましたが、性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく社会慣行は依然として残っており、男女平等の実現にはなお一層の努力が求められています。

さらに、少子高齢化、家族形態の多様化、外国人居住者の増加等社会経済情勢の変化に対応し、誰もが対等な立場で活躍できるまちであるためには、自然と産業にめぐまれ、市民活動が盛んな本市の特性をいかしつつ男女共同参画の推進に、より一層取り組むことが重要であり、全ての人に、均等に責任を負って社会に参画する機会を付与することが必要です。

ここに、私たちは、市、市民、事業者、市民団体及び教育関係者が協働して、男女共同参画社会の実現を目指すことを決意するとともに、男女共同参画社会づくりに関する取組を総合的かつ計画的に推進し、市民が誇れる未来のあるまちづくりに資するため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民、事業者、市民団体及び教育関係者の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定め、これを総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員としてお互いを尊重し合い、自らの意思によって家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されることにより、男女がその個性及び能力を十分に発揮することができ、等しく政治的、経済的、社会的及び文化的利益を受け、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的格差改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に居住し、通学し、若しくは通勤する者又は市内で活動する者をいう。

(4) 事業者 市内において事業を行う個人又は法人をいう。

(5) 市民団体 自治会、町内会、PTA、特定非営利活動法人その他の地域社会において住民の福祉の向上のための活動を行う団体をいう。

(6) 教育関係者 学校教育、社会教育その他あらゆる教育現場に関わる者をいう。

(7) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により相手方を不快にさせ、若しくはその生活環境を害し、又は性的な言動に対する相手方の対応によりその者に不利益を与えることをいう。

(8) ドメスティック・バイオレンス 配偶者、恋人等親密な関係にある、又はあった者からの身体的、精神的、経済的、社会的又は性的な暴力をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、次に掲げる基本理念にのっとり、市、市民、事業者、市民団体及び教育関係者が協力して行われなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的な取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されること及び次に掲げる事項が留意されること。

 男女共同参画の推進に当たっては、性同一性障害を持つ人その他多様な性を持つ人の人権についても配慮しなければならない。

 男女共同参画の推進に当たっては、女性が直面している課題や女性の参画促進だけに注目するのではなく、男性が直面している課題への取組、男性の参画が少ない分野への男性の参画促進にも努めなければならない。

(2) 男女間のあらゆる暴力が根絶されることその他の男女の人権が尊重されること。

(3) 性別による固定的な役割分担等を反映した制度又は慣行が、男女の社会における活動の自由な選択に対してできる限り影響を及ぼさないように配慮されること。

(4) 男女が、社会の対等な構成員として市の施策並びに事業者及び市民団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保され、その実現のために積極的格差改善措置が講ぜられること。

(5) 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員として共に役割を担い、かつ、学校、職場、地域その他の社会生活における活動に平等に参画できるよう、仕事と生活の調和(第11条第3号において「ワーク・ライフ・バランス」という。)に配慮されること。

(6) 男女が、互いの性を理解し合い、生涯にわたる心身の健康が確保されるとともに、妊娠、出産等に関しては、女性の身体的特徴に配慮し、その意思を尊重した上で、相互に協力し合うこと。

(7) 男女共同参画の実現は、国際的視野の下で取り組むべき課題であることを認識し、全ての人がその推進について積極的に協力し合うこと。

(平30条例2・一部改正)

(市の責務)

第4条 市は、基本理念に基づき、男女共同参画の推進に関する施策(積極的格差改善措置を含む。以下同じ。)を策定し、実施するものとする。

2 市は、男女共同参画の推進に関する施策の実施に当たっては、市民、事業者、市民団体及び教育関係者(以下「市民等」という。)と協力して行うとともに、国及び県その他の地方公共団体と連携を図るよう努めるものとする。

3 市は、市民等が行う男女共同参画を推進するための活動の支援に努めるものとする。

4 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するため、財政上の措置及び必要な体制の整備をするよう努めるものとする。

5 市は、自らも事業者の一員として、男女共同参画を率先して推進するよう努めるものとする。

(平30条例2・一部改正)

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念に基づき、男女共同参画について関心を持ち、理解を深めるとともに、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において自主的に男女共同参画の推進に努めるものとする。

2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に基づき、就労者が職業生活と家庭生活その他の社会における活動とを両立できるよう就業時間等の規則及び職場環境を整備するとともに、その事業の業務における方針の立案及び決定の過程に男女が平等に参画できる機会を確保する等、男女共同参画の推進に努めるものとする。

2 事業者は、就労者に対し、男女共同参画の推進に役立つ情報を提供するよう努めるものとする。

3 事業者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市民団体の責務)

第7条 市民団体は、その運営又は活動の意思決定に男女が平等に参画し、共に責任を担う環境を整備するとともに、男女が互いに能力を発揮できるよう努めるものとする。

2 市民団体は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(教育関係者の責務)

第8条 教育関係者は、男女共同参画の推進に果たす教育の重要性に鑑み、男女共同参画の理念をよく理解し、基本理念に配慮した教育を行うよう努めるものとする。

2 教育関係者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(性別による権利侵害の禁止)

第9条 何人も、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、次に掲げる性別を理由とする権利侵害行為を行ってはならない。

(1) 性別による差別的取扱い

(2) セクシュアル・ハラスメント

(3) ドメスティック・バイオレンス

(4) 前3号に掲げるもののほか、個人の尊厳を踏みにじる行為

(平30条例2・一部改正)

(公衆に表示する情報の表現への配慮)

第10条 何人も、公衆に表示する情報において、次に掲げる事項を連想させ、又は助長する表現を用いないよう配慮しなければならない。

(1) 性別による差別又は固定的な役割分担

(2) セクシュアル・ハラスメント

(3) ドメスティック・バイオレンス

(4) 前3号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進を妨げると認められるもの

(平30条例2・一部改正)

第2章 基本的施策

(平30条例2・全改)

(市の施策)

第11条 市は、男女共同参画を推進するため、次に掲げる施策を行うものとする。

(1) 市民等の理解を深めるため、あらゆる機会を通じて情報提供及び広報活動を行うとともに、市民等の活動を支援するために必要な措置を講ずること。

(2) あらゆる分野における活動及び意思決定過程において、男女間に参画する機会の格差が生じないよう、市民等と協力し、積極的格差改善措置を講ずるよう努めること。

(3) 男女が、ワーク・ライフ・バランスを図ることができるよう、必要な支援を行うこと。

(4) 男女が、性差に関する理解を深め、生涯にわたって健康な生活を送ることができるよう、必要な支援を行うこと。

(5) セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンス等、性に起因する暴力の根絶を重要課題と位置付け、推進すること。

(6) 防災及び災害復興に係る施策等において、男女双方の視点を取り入れた体制の構築に努めること。

(7) 多文化共生の視点に立った男女共同参画事業の推進に努めること。

(平30条例2・全改)

(基本計画)

第12条 市長は、基本理念に基づき、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、基本計画を策定し、又は変更するに当たっては、あらかじめ湖西市男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、市民等の意見を反映するよう適切な措置を講ずるものとする。

3 市長は、基本計画を策定し、又は変更したときは、速やかにこれを公表するものとする。

(平30条例2・全改)

(実施状況の報告)

第13条 市長は、毎年度、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について報告書を作成し、湖西市男女共同参画審議会の意見を付して公表するものとする。

(平30条例2・全改)

(事業者、市民団体及び教育関係者からの報告)

第14条 市長は、必要があると認めるときは、事業者、市民団体及び教育関係者に対し、男女共同参画に関する事項について報告を求め、又は助言することができる。

(平30条例2・全改)

(調査及び研究)

第15条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策の策定及び効果的な実施のため調査及び研究を行い、その成果の活用に努めるものとする。

(平30条例2・全改)

(苦情及び相談への対応)

第16条 市長は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に関する苦情及び性別により差別した取扱い等に関する相談に対し、関係機関と連携を図り適切に対応するよう努めるものとする。

(平30条例2・全改)

第3章 推進体制

(平30条例2・全改)

(推進体制の整備)

第17条 市は、市民等の協力の下に男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、必要な体制を整備する。

(平30条例2・全改)

(審議会)

第18条 男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、湖西市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会の所掌事項は、次のとおりとする。

(1) 第12条第2項及び第13条の規定に基づき市長に意見を述べること。

(2) 市長の諮問に応じ、男女共同参画の推進に係る基本的かつ総合的な施策及び重要事項その他男女共同参画の推進に関する事項について審議すること。

(平30条例2・全改)

(地区推進員)

第19条 市長は、男女共同参画の推進を図るため、男女共同参画の普及啓発その他の活動を行う男女共同参画地区推進員を置くことができる。

(平30条例2・全改)

第4章 雑則

(平30条例2・旧第5章繰上)

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(平30条例2・旧第35条繰上)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

2 基本計画が定められるまでの間、平成24年2月に定められた「女(ひと)と男(ひと)プランこさい」を基本計画とみなす。

(平成30年3月7日条例第2号)

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

湖西市男女共同参画推進条例

平成26年12月22日 条例第38号

(平成30年4月1日施行)