○湖西市再生可能エネルギー発電設備の適正な設置に関する条例

令和4年3月30日

条例第12号

(目的)

第1条 この条例は、本市における再生可能エネルギー発電設備の設置について必要な事項を定めることにより、災害の発生の防止並びに自然環境及び生活環境の保全を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 再生可能エネルギー発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備のうち、同条第3項に規定する太陽光又は風力をエネルギー源とする設備(送電に係る電柱等を除く。以下「対象設備」という。)をいう。

(2) 再生可能エネルギー発電事業 対象設備を設置し、これを使用して発電を行う事業(対象設備を設置するための樹木の伐採及び切土、盛土、埋土等の造成工事を含む。)をいう。

(3) 事業者 再生可能エネルギー発電事業を計画し、これを実施するものをいう。

(4) 事業区域 再生可能エネルギー発電事業を行う一団の土地(継続的又は一体的に再生可能エネルギー発電事業を行う土地を含む。)をいう。

(5) 工事施行者 再生可能エネルギー発電事業に関する工事を請け負った者及び請負契約によらないで自ら工事を行うものをいう。

(6) 土地所有者等 事業区域の所有者、占有者又は管理者をいう。

(7) 地域住民等 事業区域に隣接する土地又は建築物の所有者、占有者又は管理者及び事業区域の周辺地域に存する地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体その他これに類する団体をいう。

(令4条例19・一部改正)

(市の責務)

第3条 市は、第1条に定める目的を達成するために、この条例の適正かつ円滑な運用を図るよう必要な措置を講じなければならない。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、関係法令及びこの条例を遵守し、市民の安全安心を確保し、地域社会の発展に寄与し、並びに自然環境及び生活環境の保全に努め、災害が発生することがないよう、事業区域及び対象設備を適正に管理するとともに、地域住民等の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。

2 事業者は、地域住民等から再生可能エネルギー発電事業に関する苦情等があった場合は、地域住民等の理解を得るため、誠実な対応をするように努めなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、第1条に定める目的を達成するために、市の施策及びこの条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。

(土地所有者等の責務)

第6条 土地所有者等は、再生可能エネルギー発電事業により、自然環境及び生活環境の保全上支障が生じ、又は災害が発生することがないよう、その所有、占有又は管理に係る事業区域の土地を適正に管理しなければならない。

(抑制区域)

第7条 市長は、次に掲げる区域のうち特に必要があると認めるものを、再生可能エネルギー発電事業を抑制する区域(以下「抑制区域」という。)として指定することができる。

(1) 土砂災害その他の自然災害が発生するおそれがある区域

(2) 豊かな自然環境が保たれ、地域における貴重な資源として認められる区域

(3) 優れた景観が良好な状態に保たれている区域

(4) 前3号に掲げるもののほか、再生可能エネルギー発電事業により周辺地域に著しい影響を及ぼすおそれがある区域

2 抑制区域は、規則で定める。

3 市長は、必要があると認めるときは、抑制区域を変更することができる。

(適用除外)

第8条 次に掲げる事業については、次条から第21条までの規定は、適用しない。

(1) 発電出力が10キロワット未満のもの(増設することによりその発電出力が10キロワット以上となるものを除く。)

(2) 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項第1号に規定する建築物に対象設備を設置するもの

(地域住民等への説明会の実施)

第9条 事業者は、市内において再生可能エネルギー発電事業を実施しようとするときは、次条の規定による届出に先立って、あらかじめ地域住民等に対し、当該再生可能エネルギー発電事業に関する説明会を実施しなければならない。

2 事業者は、前項の説明会の実施に当たって、当該再生可能エネルギー発電事業について、地域住民等の理解が得られるよう努めなければならない。

3 地域住民等は、規則で定めるところにより、第1項の説明会を実施した事業者に対し、当該事業者が実施しようとする再生可能エネルギー発電事業についての意見を申し出ることができる。

4 事業者は、前項の規定による意見の申出があったときは、規則で定めるところにより、当該申出をした地域住民等と協議しなければならない。

(届出)

第10条 事業者は、市内において再生可能エネルギー発電事業を実施しようとするときは、規則で定めるところにより、当該事業に着手しようとする日の60日前までに当該再生可能エネルギー発電事業に係る事項を市長に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事項の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、規則で定めるところにより、速やかに当該変更に係る事項を市長に届け出なければならない。

(同意)

第11条 事業者は、市内において再生可能エネルギー発電事業を実施しようとするとき、又は市内において実施している再生可能エネルギー発電事業の変更をしようとするときは、あらかじめ事業の着手前までに、市長の同意を得なければならない。

(同意の基準等)

第12条 市長は、再生可能エネルギー発電事業の計画が規則で定める基準に適合しており、かつ、自然環境及び生活環境の保全上支障がないと認めるときは同意する。

2 市長は、再生可能エネルギー発電事業の計画について、自然環境及び生活環境の保全上支障が生じるおそれがあると認めるときは、事業者に対し、その旨を通知するとともに、再生可能エネルギー発電事業の計画の変更を求めるものとする。

3 市長は、事業区域の全部又は一部が抑制区域内に位置する場合は、同意しないものとする。ただし、市長がこの条例の目的に照らして支障がないと認めるものにあっては、この限りでない。

4 市長は、必要に応じて自然環境及び生活環境の保全について、湖西市環境基本条例(平成14年湖西市条例第34号)第14条に規定する湖西市環境審議会その他必要と認める者の意見を聞くことができる。

5 市長は、第1項の規定による同意には、この条例の目的を達成するために必要な条件を付すことができる。

(関係書類の閲覧)

第13条 第11条の同意を得た事業者は、規則で定めるところにより、当該同意に係る再生可能エネルギー発電事業を行っている間、地域住民等の求めに応じ、第10条第1項の規定による届出に係る書類の写しを閲覧させなければならない。

(着手等の届出)

第14条 事業者は、再生可能エネルギー発電事業の着手、中止又は再開をするときは、規則で定めるところにより、市長にその旨を届け出なければならない。

(完了の届出等)

第15条 事業者は、対象設備の設置工事が完了したときは、規則で定めるところにより、完了した日から起算して14日以内に市長にその旨を届け出なければならない。

2 市長は、前項の規定による届出があったときは、速やかに同意の基準及び同意に付した条件等に適合していることを確認しなければならない。

(再生可能エネルギー発電事業の承継の届出)

第16条 事業者から相続、売買、合併又は分割によりその地位を承継した者は、承継した日から起算して14日以内に、規則で定めるところにより、市長にその旨を届け出なければならない。

(維持管理等に関する定期報告等)

第17条 事業者は、稼働状況及び保守点検の維持管理の実施状況について、再生可能エネルギー発電事業の設置工事が完了した日からおおむね1年ごとに1回、規則で定めるところにより、市長に報告をしなければならない。

2 事業者は、落雷、洪水、台風、積雪、地震その他の自然災害又は火災等の人為的災害その他の非常事態が発生した場合であって、土砂流出等事業区域周辺への被害が発生するおそれがあるとき、又は発生したときは、直ちに必要な対策を講ずるとともに、規則で定めるところにより、市長に報告をしなければならない。

3 市長は、地域住民等、市民又は地域の生活環境に影響を及ぼすおそれがあるときは、再生可能エネルギー発電事業の維持管理状況について、事業者に対し報告を求めることができる。

(再生可能エネルギー発電事業の廃止等)

第18条 事業者は、再生可能エネルギー発電事業を廃止したときは、廃止した日から起算して14日以内に、市長にその旨を届け出るとともに、関係法令に基づき対象設備を事業区域に放置することなく速やかに撤去し、又は自らの責任において適正に処分しなければならない。

2 市長は、前項の規定による届出があったときは、当該届出をした事業者に対し、撤去等計画に基づき対象設備の用途廃止に係る適正な措置を取ること及び事業区域の跡地利用に関する計画を定めこれを推進することを求めることができる。

(報告及び立入調査)

第19条 市長は、必要な限度において、事業者、工事施行者、土地所有者等その他の再生可能エネルギー発電事業の関係者(以下この項及び次項において「関係者」という。)に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又は職員に事業区域に立ち入らせて当該事業区域に係る再生可能エネルギー発電事業について調査をさせ、若しくは関係者に質問をさせることができる。

2 前項の調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(指導、助言及び勧告)

第20条 市長は、必要があると認めるときは、事業者又は土地所有者等に対して、必要な措置を講じるよう指導又は助言を行うことができる。

2 市長は、事業者が次のいずれかに該当するときは、期限を定めて必要な措置を講じるよう勧告することができる。

(1) 第10条第1項若しくは第2項の規定による届出をせず、又は当該届出に関し虚偽の届出をしたとき。

(2) 第11条第1項の同意を得ずに再生可能エネルギー発電事業に着手したとき。

(3) 第17条第1項若しくは第3項の報告をせず、又は当該報告に関し虚偽の報告をしたとき。

(4) 第17条第2項の報告をせず、当該報告に関し虚偽の報告をし、又は同項に規定する対策を講じなかったとき。

(5) 第18条第1項の規定による届出をせず、当該届出に関し虚偽の届出をし、又は同項の規定による撤去及び処分をしなかったとき。

(6) 前条第1項の報告若しくは資料の提出をせず、当該報告に関し虚偽の報告をし、当該資料の提出に関し虚偽の資料を提出し、同項の調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(7) 前項の指導又は助言に正当な理由なく従わなかったとき。

(公表)

第21条 市長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該勧告に従わない事業者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)並びに当該勧告の内容について、国及び県へ情報を提供するとともに公表することができる。

2 市長は、前項の規定による国及び県への情報提供又は公表をしようとするときは、あらかじめ事業者に対して、その理由を通知するとともに、意見を述べる機会を与えなければならない。

(委任)

第22条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

1 この条例は、令和4年7月1日から施行する。

2 第9条から第21条までの規定は、この条例の施行の日以後に工事に着手する事業者について適用する。

3 前項の規定にかかわらず、この条例の施行の際現に再生可能エネルギー発電事業を実施している事業者について、第10条第14条及び第16条から第21条までの規定を適用する。この場合において、第10条第1項中「しようとするときは、規則で定めるところにより、当該事業に着手しようとする日の60日前までに」とあるのは「しているときは、規則で定めるところにより、この条例の施行後速やかに」と読み替えるものとする。

(令和4年6月28日条例第19号)

この条例は、令和4年7月1日から施行する。

湖西市再生可能エネルギー発電設備の適正な設置に関する条例

令和4年3月30日 条例第12号

(令和4年7月1日施行)